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講義名 ファッションAIとメタバース
(副題)
開講責任部署
講義開講時期 後期 講義区分 講義
基準単位数 2 時間 30.00
代表曜日 木曜日 代表時限 2時限
担当教員 酒井 聡(7コマ)・仲田 朝彦(8コマ)
講義名(英) AI, Metaverse & Fashion
必修・選択 ファッションデザインコース・ファッションテクノロジーコース・ファッション経営管理コース 選択
開講年次 1年

担当教員
氏名
◎ 酒井 聡
仲田 朝彦

授業目的・方針 本科目は、ファッションAIとメタバースの2つの領域において、以下の知識とスキルの修得を目的とする。

1)ファッションAI
ファッション領域においてAIやデータを活用するためにエンジニアやデータサイエンティストとコラボレーションするための素地

2017年ごろから、あらゆる業界でAIの社会実装が本格化している。AIやデータサイエンスといった技術は強力なツールであるものの、あくまでも手段であり、役立てるためには業界の知識や課題、消費者のニーズなどを理解しているプランナーやプロジェクトマネジャーを必要とする。開発自体はAIエンジニアやデータサイエンティストが行うものの、このプランナーやプロジェクトマネジャーが「AIに何ができて何ができないのか」「データにどういったポテンシャルがあるのか」も踏まえていないと、企画を立てることもプロジェクトを円滑に進行することもできない。AIやデータを活用するためにエンジニアやデータサイエンティストとコラボレーションするための知識やスキルを身につけるために、周縁の知識をインプットしながら、頭を使い、手を動かす課題を重ねて感覚を馴染ませていく。

2)メタバース
メタバースを活用した新しいファッション産業を生み出す力

アパレル小売り事業は年々厳しい市場環境となってきており、在庫リスクから伴う倒産や、売れるMDを生産することでのデザインの同質化など、アパレル産業全般に未来の危機が訪れている。本授業では、アパレルの持つ在庫課題の解決方法と、新しいファッションを生み出すための新スキームとして、メタバースを活用したファッション×テクノロジー領域に関して学修する。授業方針として、最先端技術を毎回紹介し、討論を行う。加えて日々最先端技術が更新されていく本領域では、最新情報の収集と思考・対応が重要になるため、各回の授業で直近2週間に発表された最先端の技術を毎回紹介・討論も実施していく。
到達目標 授業終了時に学生は下記3つの状態に到達をすることを目指す
① 情報収集力:ファッション×テクノロジー領域の情報収集を日ごろから最新情報を収集出来る状態
② 思考力:世の中の先端技術を掛け合わせ、独自の発想を生み出す思考が出来る状態
③ 事業力:新規事業におけるビジネスモデルやマネタイズ方法の最低限を立案出来る状態
授業計画表
第1回
内容
【オリエンテーション】(科目の概要を理解する)
オリエンテーションでは、授業概要の説明をする。
-本科目の授業目的と方針、到達目標、授業内容と授業外学修、成績の評価方法の説明を行う。
-メタバース全般に関してのイントロダクションを行う。 
(仲田)

【授業外学修】 実際に複数のメタバースへアクセスをしてファッションの可能性をそれぞれのサービスで模索する(4時間) 
第2回
内容
【メタバース市場の歴史・現在・未来に関して】(メタバース関連のリテラシー向上)
何故近年急速にメタバースが注目されたのか?過去にメタバースでの成功事例失敗事例を学び、今後の未来に対しての予測や必要なことを学び討論を実施する。またメタバースと関連するテクノロジーも併せて学び、ファッションの持つ可能性を幅広くとらえ、今後の学習や議論に必要な本領域のリテラシーを高める。 (仲田)

【授業外学修】過去のメタバース事例の調査・研究(4時間)
第3回
内容
【世の中に浸透しているAIを知る】
-世の中で使われているAIの実例
-AIの得意不得意
(酒井)

【授業外学修】 母国の上場AI会社のIR分析(3時間)
第4回
内容
【ファッション×メタバースのポテンシャル①】(メタバース関連のリテラシー向上)
ファッション領域はメタバース領域において大きなポテンシャルを保有している。アパレルの持つ課題解決先としての可能性と、消費者の自己実現欲求・自己超越欲求を叶える媒体としての可能性の双方に着目した学修を行う。 (仲田)

【授業外学修】 過去のファッション×メタバース事例の調査・研究(4時間)
第5回
内容
【ファッション領域でのAI活用を知る】
-上場AI会社の調査発表
-ニューロープの事業
-ファッション領域におけるAIの活用事例
-アイデアソンの説明
(酒井)

【授業外学修】 新しいAI活用方法のアイデア考案(3時間)
第6回
内容
【3DCG学習】 (技術学習)
知識だけでなくテックを身近なものへと実感するために、実際に3DCGソフトblenderを触って簡単なCGモデルの制作を実施。初期設定と基礎的な操作方法を学び、グラスの作成を行う。3DCG制作スキルを理解することで、アイデアの幅を広げることと、出来ることと出来ないことの目を養う。また制作時間からコスト意識を向上させ、リアルとテックの役割のすみ分けを理解する。 (仲田)

【授業外学修】blenderによるCG制作で1作品作成する(4時間)
第7回
内容
【AIの新たな活用方法を考える】
- アイデアの発表 / フィードバック
- ニューロープがAIを事業化するまでに経てきた仮説検証プロセス
- リーンスタートアップによるアイデアの検証方法 / アイデアの評価軸
- 比較的低価格でアクセス可能なAIサービスの仕様説明
(酒井)

【授業外学修】 
- 母国の上場AI会社のIR分析(2時間)
- アパレルのオペレーションを予習するためのPodcast視聴(2時間)
第8回
内容
【ファッション×メタバースのポテンシャル②】(ディスカッション)
ここまでの学習を通じて、これからのファッション×メタバース領域においてどのような新規事業を立案できるかグループに分かれてディスカッションを行う。ディスカッション後にビジネスモデル化としてブラッシュアップを実施。新たなファッションが世の中に生まれていくためのスキームや、消費者がファッションの価値をどのように再認していくか、ピクト図解を作成する。 (仲田)

【授業外学修】ファッション業界のみならず様々な業種のピクト図解の事例を学修する(4時間)
第9回
内容
【アイデアソンを通してAIを自分ごと化する】
- AIを組み合わせたアイデアソン(プレゼン) / フィードバック
- データ分析ツール#CBK forecastの利用方法
- データ分析例 / 仮説の立て方
(酒井)

【授業外学修】 仮説を立てた上で、ZOZOのデータを分析する(3時間)
第10回
内容
【アイデアをビジネス化するための学習】(ビジネス化学習)
テクノロジー領域のリテラシーが向上し、新しいファッションの可能性を思案した後には、事業としての継続性を計画する学習を簡易的に行う。具体的なツールとしてリーンキャンバスを用いて、自身のアイデアを事業化フォーマットへ記載する。ビジネス化の為には幅広い学習領域が必要であることを学習し、また複数人でチームビルディングをしていく重要性を理解する。 (仲田)

【授業外学修】自身のアイデアに関するリーンキャンバスの作成(4時間)
第11回
内容
【「筋の良いデータ分析」を知る】
- ZOZOデータ分析の発表 / フィードバック
- データ活用の失敗事例と成功事例
- データ分析の方法 / 外部2次データの活用
(酒井)

【授業外学修】 仮説を立てた上で、Instagram / ZOZO / 楽天 / ファッションコレクションなど好きなデータを分析する(3時間)
第12回
内容
【プレゼンテーションスキル (伝える力の学習)】
知識・技術を習得し、ビジネスモデルがプランニング出来ていたとしても、事業化に進まない課題がある。その解決策としてプレゼンテーションスキルの伝える力を学ぶ。自身のアイデアを伝える相手に応じて伝え方を変える手法や、資料作成の技術要点を総合的に学ぶ。 (仲田)

【授業外学習】自己紹介のプレゼンシートを作成する(4時間)
第13回
内容
【データ分析になじむ】
- データ分析の発表 / フィードバック
- 企画、MD、ディストリビューション、販促など、プロダクトライフサイクルに沿ったデータ活用方法
- 企業からの課題提起
- 企業が投資の判断をするために必要なプレゼン項目
(酒井)

【授業外学修】 企業の抱える課題を解決するための企画 / プレゼン作成(6時間)
第14回
内容
【メタバース・総まとめ】
本授業を通じて知識・技術の学習体験を通じて授業各回の要点を振り返る。また最終の課題レポートに関してのテーマ発表を行う。 (仲田)

【授業外学修】約1200字程度のレポートを執筆し、Google Classroomに提出する。(4時間)
第15回
内容
【データの社会実装を考える】
- 企業向けのソリューション提案(プレゼン) / フィードバック
- AIの中でも学問的にホットな領域と今後の可能性
(酒井)

【授業外学修】 母国の上場AI会社のIR分析、アイデアソン、データ分析、企業向けソリューション提案をポートフォリオにまとめる(4時間)
教科書等・参考資料 特になし
備考 【関連DP】
3.デザインをファッションビジネスへと昇華させる編集力
6.技術を商品化に結び付ける提案力
7.ファッションビジネスの課題発見・解決能力
8.ファッション企業を起業、経営管理する思考・分析・意思決定力
評価方法 【評価方法】
AA~C・E評価 
【評価項目】
プレゼン発表及び最終課題(80%)・授業への参加・意欲(20%)で総合評価する。
【評価基準】
評価の基準は以下のとおりとする。併せて、単位修得には授業時間数の2/3以上の出席を必要とする。
AA)授業への参加、事前学修、授業貢献に対して強い意欲が見られ、ファッションAIとメタバースの情報収集力、思考力、事業力が非常に高く、特筆すべき水準で到達目標を達成している。
A )授業への参加、事前学修、授業貢献に対して意欲が見られ、ファッションAIとメタバースの情報収集力、思考力、事業力が高く、優れた水準で到達目標を達成している。
B )授業へ参加し、事前学修、授業貢献を行なった。ファッションAIとメタバースの情報収集力、思考力、事業力には多少の課題があるが一応の水準で到達目標を達成している。
C )授業への参加、事前学修、授業貢献に対して意欲が見られず、ファッションAIとメタバースの情報収集力、思考力、事業力には課題があるが最低限身につけるべき内容を修得している。
E )授業への参加、事前学修、授業貢献に対して意欲が見られず、ファッションAIとメタバースの情報収集力、思考力、事業力において単位修得の水準に満たなかった。
【フィードバック】
レポートは、Google Classroom内にて個別にコメントを返却する。
授業でのプレゼンテーション・発表は、適宜授業の中で講評する。
授業での発言、ディスカッションは、適宜授業の中で講評する。
最終発表は、適宜授業の中に講評し、Google Classroom内にて個別にコメントを返却する。
準備物 特になし
使用ソフト・ツール等 Microsoft Word、Microsoft Excel、Microsoft PowerPoint
Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleスライド
科目ナンバリング ZG21